この世界で君を愛す

未知は平気なふりをしているけど 実は僕より怖がっていることを 僕は知っていた。


未知いわく…高い所を過ぎてしまえば平気なのだそうだ。


そしてついにジェットコースターは急降下を始めた。


「うっうわぁぁぁ!!!」

「きゃあぁぁ!!!」


あとはどっちが上だか下だかわからないような回転をして ものすごいGがかかるカーブを滑り わけがわからないままに僕の恐怖の時間は終了した。


腰が抜けたように変な歩き方をする僕を未知は笑った。


「あはは!渉の怖がり!うわーってすごい声出してたし」


「未知だってギャーって叫んでたよ。この世の物とは思えない叫び声をあげて…」


「あはは。おもしろかったけど怖かったね」


「もう勘弁してよね」


「はいはい」


そう言うと未知は僕の頭に手を伸ばし 乱れた髪を丁寧に直してくれた。