この世界で君を愛す

車を一時間程走らせると 昼過ぎには遊園地に到着した。


「遊園地なんて久し振り!」

車を駐車するやいなや 未知は助手席から飛び出した。


「僕も久しぶりだよ。ええと…何年振りかな」


「六年振りでしょ」


未知は僕の顔を覗き込むようにして笑った。


「そうだったね」


「もう!忘れないでよ」


「忘れてなんかいないよ。未知と初めてデートしたのは遊園地だったね」


「そうそう。あの時渉がさ…」


未知はケラケラと笑いだした。


「変な事思い出さないでよー。さあ 行くよ」


「うん!」



僕達は手を繋ぐと 甘酸っぱい思い出の詰まった入口のアーチをくぐった。



抜けるような青空の下…僕達のデートが始まった。