未知が支度を始めてからもうすぐ一時間がたとうとしていた。


僕は三本目のタバコに火をつけながら溜め息をついた。



…全く。

女の支度ってのは なんでこうも長いんだろう。

みんなそうなのかな。

未知が特別長いのか?

そんな…特別にオシャレしなくたって いつも通りでいいのに。



タバコを灰皿に押し付けたと同時に未知が現れた。


「お待たせ!」


正直言うと少し不機嫌になっていた僕は文句を言ってやろうと考えていたが 未知の姿を見るとそんな気持ちは吹き飛んでしまった。


か…かわいい…。


未知はいつもはサラサラのストレートの髪をゆるく巻いていた。


こうやって僕は いつも未知を許しちゃうんだよな。


「じゃ…じゃあ行こうか」


僕はコホンと咳払いをした。