ドアの前には青い顔をした正木君が立っていた。


「未知さん!大丈夫ですか!?くっそー!」

そう言うなり正木君は私を押しのけて部屋の中へズンズン入って行った。


「え?何?ちょっと!正木君!」




そしてその直後…。




「うわぁー!!!」という悲鳴が聞こえ 正木君は気絶した。




私と渉は顔を見合わせて溜め息をついた。

「無理もないか…」

「無理もないよね…」



とりあえず正木君をソファーに寝かせ 目が覚めるのを待つことにした。


「まったく…世話の焼ける奴だな。一年たっても変わってないよ」


「でも渉は そんな正木君が好きなんでしょう?」


「気持ち悪い事言わないでよ。でも嫌いじゃないさ」


正木君は私達の会話を知ってか知らずか 幸せそうな顔で口をモゴモゴ動かしていた。