渉は部屋の中を見回すとソファーに腰を下ろした。


「何も…変わってないんだね」


「うん。まあね。今から晩御飯の準備するね。何もないからパスタくらいしかできないけど」


「久しぶりに未知の手料理か。嬉しいな」


「インスタントだけどね」


「それが未知の味じゃん」


「バカにしてんの?」


「すみません…バカにしてません」


二人で笑っているとチャイムが鳴り 渉は何の躊躇もなくインターホンにでた。


「誰?」

私はエプロンを着けながら聞いた。


「正木。それが…なんか怒ってるみたいなんだけど」


「え?どうしたんだろう?」


私はエプロンの紐を縛りながら玄関に行きドアを開けた。