この世界で君を愛す

寝転んだ拓也君を覗き込みながら 真奈美さんが微笑んだ。


「本当ね。楽しいし 嬉しいわね。お兄ちゃんに感謝しなくちゃ。」


「うん!正木お兄ちゃんありがとう!」


正木は照れた顔で空を見上げた。


「いやぁ…たいした事じゃないさ。拓也君さえ良かったら そろそろ俺をパパって呼んでもいいんだよ…ってあれ?」


拓也君と真奈美さんはスコップで雪をすくっては 山を作ることに専念していた。


「……。」


夏に引き続き またもや玉砕した正木の肩に僕は手を置いた。


「まあまあ。そのうちチャンスはあるさ。」


「そうだよ 正木君!二人ともあんなに喜んで…これはポイント高いよ!」


正木は涙目で未知を見た。


「そう…ですよね…?よし!俺はやりますよ!さぁ 上田さんと未知さんも雪を山にしてください!かまくらを作りますから!」


「オッケー!」



真奈美さんと拓也君は 正木の前だととてもいい笑顔をする。


だから…頑張れよ 正木。