この世界で君を愛す

「わーい!」


拓也くんが歓声を上げると 染み一つない真っ白な雪の上を走りだした。


雪の上に点々とかわいい足跡をつけて。


「みんなも早く遊ぼうよ!正木お兄ちゃん!早くー!」


拓也君が赤いほっぺたをますます赤くしながら僕達を呼んだ。


「よーし。どっちが足跡をいっぱいつけられるか競争だぞ!」


正木が走り出した。


…と思ったら…。


「おわっ!」


-ズボッ-


思い切りこけて 雪に埋もれた。


そして僕は正木を救出…。


「う-っ 苦しかった。」

「あはは!正木 お前マンガみたいに転んでたよ?」


体中雪だらけになった正木を見て みんな大笑いした。


「正木君…今のギャグみたい!」


「そんなぁ ひどいですよ。俺は危うく窒息しそうだったのに。」



正木の転んだ跡は まさに正木の形にへこんでいた。


そこに拓也君が寝転ぶ。


「あははっ!こんなに雪がいっぱいあって 楽しいね!嬉しいね!ね?ママ?」