この世界で君を愛す

北海道は意外に近かった。


飛行機に約1時間半乗ってるだけで着いてしまうんだから…。


でも未知にとっては快適な空の旅ってわけにはいかなかったようだ。


上空にいる間 ずっとそわそわして心ここにあらずって感じだった。


観覧車よりもずっとずっと高い所にいるんだから…当たり前だよね。




「わっ さぶっ!」


飛行機を降りると急激に気温が下がった。


たった数十分の違いで こんなに寒いなんて…。



「でも 寒いと空気が澄んでる気がするよね。」


地上に降りて元気を取り戻した未知が深呼吸をして言った。



「とりあえずホテルに行って落ち着きましょうか。」


ダウンや手袋を着けて完全防備の僕達は 正木を先頭にホテルを目指した。