この世界で君を愛す

私達は静かに…静かに立っていた。


さっきまでの緊張は影を潜め 静かで優しい気持ちだけが 今は胸にあった。


本来ならば…ここでお互いに永遠の愛を誓うはずだが…それはできなかった。


もうすぐいなくなるだろう花婿と 前に向かって歩くと約束した花嫁。


だから…。




神父が聖書を閉じると重々しく言った。


「誓いの言葉を…。」





私達は…。



私達に許されるだろう言葉で誓った。