この世界で君を愛す

父と私はヴァージンロードの赤い絨毯の上をゆっくりと進み ついに渉の前に辿り着いた。


私の手は 父の腕から渉の腕へと手渡された。



そして渉と私は祭壇の前に立った。




ここに来るまで…私達はいっぱい傷ついて いっぱい苦しんだ。


だけど…楽しい事もいっぱいあった。



「幸せだったことまで忘れないで」



そう渉が言った時…。


悲しみの中に 嬉しかった事や楽しかった事の全てを閉じ込めている事に気付いたの。



こんなにたくさんの人がいる中で 私達が出会えたことは奇跡なのかもしれないのに。



幸せだった事まで忘れちゃったらもったいないよね?



私に幸せをくれて…。


ありがとう…渉。