この世界で君を愛す

「お父さん…。」


父は小さく頷くと 目を細めて私を眺めた。


「お父さん。今日のこと…許してくれて…ありがとう。わがまま言ってごめんね?」


父はまた小さく頷いた。


「こんなめでたい日に謝るものじゃないよ 未知。未知はやっぱりお母さん似だな。お父さんに似なくて良かったよ。」


「お父さん…。」


「こんなに綺麗な娘がいて お父さんは幸せだな。」


父は天井を見上げると 鼻をすすった。




お父さん…。


どちらかと言うと厳しい頑固なお父さん。


昔は反抗して口を利かない日もあった。


でも…大事な時はいつも 私の味方でいてくれた。


私も…お父さんの娘で良かったよ?



ありがとう。


お父さん…。