この世界で君を愛す

「なっ何?」


「いや…未知からどうぞ?」


「いいよ 渉から言って?」



いつもと違う調子の自分達がなんだかおかしくて笑ってしまった。



「未知。本当にキレイだよ。ドレスも似合ってるけど…その笑顔が1番キレイだ。」


「渉…渉もすごく似合ってるしステキだよ。」


渉は照れ笑いをした。


「そうかな…?未知が僕の奥さんだなんて…僕は幸せものだね。」


「私も…夢みたい…。」



私と渉の手が いつの間にか重なっていた。


そしてくちびるも…あと5センチ…。



-ガチャ-


ドアが開いて真奈美さんが顔を出した。


「言い忘れました…ああっ!やっぱり危ないところだった!キスはダメですからね。せっかくキレイにメイクしたのがとれちゃう。もうちょっと…我慢してくださいね?」



-バタン-


私達は真奈美さんがいなくなった後のドアを呆然と見つめた。


「危ない…ところだったね…。」


「うん…。」


そして可笑しくて笑った