建物の中はシーンと静まり返って 全ての物がまだ眠っているようだった。



変わってないな…。



一年と数ヶ月でそんなに変わるわけはないのだろうが…私には妙に懐かしく感じられた。


そして胸が切なくなった。



ちょっと涙目になった私に真奈美さんが言った。


「未知さん まだ泣くのは早いですよ。感動的な結婚式にしましょうね?」


「はい。よろしくお願いします。」


隣を歩く渉が私の背中にそっと手を置いた。




チャペルの前を通り過ぎ 廊下の1番奥の部屋に着いた。


真奈美さんは振り返ると言った。


「こちらでメイクをしてドレスに着替えますね。」