この世界で君を愛す

「ええっ!?そんなの初めて聞いたよ!どうして教えてくれなかったの?」


未知は心底驚いた顔をしていた。



「そりゃー 男同士の約束だからだよ。僕とお父さんのね。」


「でもちょっとくらいは言ってくれても…。」


「ちょっとでも言ったら 約束を守ったことにならないじゃない。いいの 未知は知らなくて。男同士の話なんだから。」


「そういうものなのかなぁ?」



納得のいかない未知をなだめて 僕はジャケットを着た。


「じゃあ…行ってくるから。」


「いって…らっしゃい。」



ポカンとした未知を置いて僕はアパートを出た。


そして 走って駅まで辿り着くと電車に飛び乗った。