この世界で君を愛す

「渉と一緒なら どこでもおもしろいから大丈夫。」


「ちょっと。楽しいならわかるけど おもしろいってなんなの。微妙に意味が違うんですけど…。」


「もう。細かい事気にしないの!」


「うーん…なんか複雑…。」




僕が別のパンフレットに手を伸ばしたところで 未知の携帯が鳴った。


「あれ?家からだ。」


未知は電話で話し終わった後 携帯を閉じると 複雑な表情で突っ立っていた。


「どうしたの?」


「それが…お父さんが渉と二人で話をしたいって。」


「僕と?」


「そうみたい。前に二人で飲んだ店に今すぐ来いって。そう言えば渉はわかるはずだって…。お父さんと二人で飲んだことなんて…ないでしょう?」


首をかしげる未知に僕は答えた。



「あるよ。」