次の日の夕方 僕達は未知の実家へと向かった。

季節がら もうすっかり日は落ちて 車のライトが行く先を照らしていた。

緊張しながらも明るい未知と違って 僕の心は暗かった。



未知の両親が何と言うか…。

僕には なんとなく予想がついていたのだ。



「あっ この曲覚えてる?」

ラジオから流れてきた曲を聞いて 未知が僕の顔を見た。


「もちろん 覚えてるよ。」


この曲は…僕と未知が付き合い始めた頃に流行っていた曲だ。

CDを買って 車に乗る時はいつも二人で聞いていた。



忘れるはずなんてないのに…。



「懐かしいね!」


未知は助手席に深く座り直すと 目を閉じて聴き入っていた。