式場に着くと 正木君を車に残し 私は一人で重い扉を開けた。
ちょうど受付のカウンターにいた阿部さんが私に気付くと すぐさま笑顔を見せた。
「この前はどうなさったのですか?何度か携帯に連絡を差し上げたのですが…。繋がらなかったので 失礼かとは思ったのですが新郎様の職場へ連絡をしてしまって」
「…すみません」
俯いて何も言えない私を見て 阿部さんは何かを悟ったらしかった。
カウンターの隣にある個室に私を通すと ホットコーヒーを出してくれた。
私はそのコーヒーには口をつけずに 言わなければならない言葉を言った。
「…キャンセルします。結婚式は…できなくなりました…」
阿部さんはしばらく無言だった。
「すみません…」
「そう…ですか。お気になさらないでください。きっとご事情がおありでしょうから。私は長くここに勤めているのでいろいろな方々を見てきました。キャンセルされる方も時々いらっしゃいましたよ。理由は様々ですけど」
ちょうど受付のカウンターにいた阿部さんが私に気付くと すぐさま笑顔を見せた。
「この前はどうなさったのですか?何度か携帯に連絡を差し上げたのですが…。繋がらなかったので 失礼かとは思ったのですが新郎様の職場へ連絡をしてしまって」
「…すみません」
俯いて何も言えない私を見て 阿部さんは何かを悟ったらしかった。
カウンターの隣にある個室に私を通すと ホットコーヒーを出してくれた。
私はそのコーヒーには口をつけずに 言わなければならない言葉を言った。
「…キャンセルします。結婚式は…できなくなりました…」
阿部さんはしばらく無言だった。
「すみません…」
「そう…ですか。お気になさらないでください。きっとご事情がおありでしょうから。私は長くここに勤めているのでいろいろな方々を見てきました。キャンセルされる方も時々いらっしゃいましたよ。理由は様々ですけど」

