翻訳も無事に終わり 出版社からはほんの少しの手直しでOKの連絡がきた。

私は仕事をやり終えた達成感と充実感に浸りながら 部屋の掃除をしていた。

渉は出かけていて 今は一人だった。


ふと カレンダーに目が留まった。



もうすぐクリスマス…。



きっと渉は クリスマスプレゼントに何が欲しいか聞いてくるだろう。



何が欲しいか…。



私が欲しいのは物じゃない。



それを渉に言ったら反対するだろうか。



でも…。



でも…やっぱり…。



「ねぇ チョコ。渉に言ったら怒られるかな?」



チョコは振り返って私を見ると 大きなあくびをして鼻をピスピス鳴らした。