この世界で君を愛す

「えっとね。未知さんが働いていたお店に行ったの。」


「コーヒーショップに!?」


「そうだけど?」


姉は呑気に答えた。



姉がいつの間に情報を手に入れるのか…それは永遠の謎だった。



姉はキラキラ瞳を輝かせて話した。


「あの時は緊張しちゃった!ちょっとセレブっぽく変装してね。上田渉の妻ですけど…って言ったの。」


「今度は妻ですか…。」


僕は溜め息をついた。


「そしたら未知さん 何て言ったと思う?」


「かなり驚いただろうね…。」



ああ…未知…ごめん こんな姉で。



「それが未知さんたら…全然驚かないんだもの。拍子抜けしちゃった。渉のお姉さんでしょう?初めましてってニッコリ笑ったのよ。」


「へぇ…。」