この世界で君を愛す

僕は やっとの思いで声を絞り出した。


「しっ幸せだったに…決まってる。」



姉は立ち上がると 僕の左手をそっと握った。


「それなら…二人にそう言ってあげて?夢でもいいから渉に会いたいって いつも言ってたよ。」




正木は鼻をすすると 僕の肩を勢いよく叩いた。


「上田さん。行きますよ!」



僕は頷くと ぐいっと涙を拭った。