この世界で君を愛す

ポタ…ポタポタ…。


僕は泣いていた。


涙が滑り落ちて 手紙の上に落ちた。


「す…すみません。大事な手紙を汚して…しまって…」


僕が謝ると 真奈美さんは頭を振った。


「いいえ。主人の気持ち…誰かにわかって欲しかったんです。今になって…あの人は本当に幸せだったんだってわかりました。私と同じようにあの人も幸せだったんだって」


「真奈美さん…」


「これが最後の手紙だけど…寂しい気持ちはあっても悲しくはありません」


ほほえんだ真奈美さんの目から涙がポロポロ落ちた。


キレイな涙だった。





未知…。


僕は思い出したよ。


どうして戻ってきたのかを。


不安で見失いそうになっていた気持ちを。



今日帰ったら…。


君に話すよ。