この世界で君を愛す

『拓也へ



拓也 7歳の誕生日おめでとう。きっと大きくなっただろうね。


俺は拓也のパパです。


拓也は覚えていないだろうけど お前が生まれた時 パパとママは嬉しくて泣きました。

拓也の右の手首にホクロがあるだろう?パパも同じ所にホクロがあります。親子のしるしです。


パパがどんな人間なのか拓也に話しておくよ。
パパは普通の会社員です。高校生の時は「甲子園」に行きました。すごいだろう?
それにパパは女の子にもてたんだよ。
自慢話だとあきれないでください。父親は息子にカッコイイと思われたいものなんだ。


そしてパパはママと出会って ママもパパを好きになってくれて…そして拓也が生まれました。

これはすごいことなんだよ。



でも…残念ながらパパは拓也が大きくなるまで一緒にいられなくなりました。

パパは「いがん」という病気です。

拓也がこの手紙を読む頃は パパは天国に行っているでしょう。