この世界で君を愛す

君の前では強がっていたけれど 最近体がきつくてしょうがありません。

俺はもうすぐ死にます。

正直言って死ぬのは怖い。

でも もっと怖いのは 真奈美と拓也に忘れられてしまうことです。

だから俺は手紙を書きました。

忘れられたくないから手紙を書いたのです。


二人の幸せを願うと言っておきながら 俺はずるい人間でした。





昨日 夢を見ました。


真奈美が歳をとっておばあさんになっている夢なんだ。

でも その隣にいるのは…今のままの俺だった。

俺の時間は止まったままなのに 君の時間は動いていたんだよ。



そう。

俺がいなくなった後でも 君の時間は流れていく。


だから真奈美は 真奈美の人生を歩いていかなくちゃならないんだ。