この世界で君を愛す

家までの距離は意外と長く 僕は腰が痛くなったし腕も痺れてしまった。


でもここで未知を降ろすわけにはいかなかった。



僕の背中に涙を落す未知を…降ろすなんてできなかった。



そういえば…。


未知を背負って歩くなんて初めてだなぁ。



未知と出会って何年も経つのに…まだしていない事がたくさんあるのだということに僕は気付いた。





30分以上も歩き ようやく僕達のアパートに到着すると 未知は僕の背中から降りて 裸足で階段を上がった。


静まり返った廊下にペタペタと足音を響かせて…。





いつの間にか雨は上がっていた。