この世界で君を愛す

僕は水溜りの中でも気にせず走り回った。


すでにびしょ濡れなんだから構わない。


浴衣の裾が足に絡まったが なんとか転ばずにすんでいた。


出店も一軒一軒のぞいたが未知を見つけることはできなかった。



僕は膝に手を置くと肩で息をした。



未知はどこにいるんだろう…。



僕は顔を上げると 土手の上をまた走り出した。


僕の顔に雨は容赦なく叩きつける。


そのぬるい雨の中 僕はさっき花火を見ていた場所まで辿り着いた。







見つけた…。