この世界で君を愛す

次々に打ち上げられる花火。



赤 緑 黄色 夜空に輝く光の粒。



パッと花開いては 消えていく。




「あっ!今のハートの形だった!」


未知が嬉しそうな声を出した。


「本当だ」



赤とピンクのハートが浮かぶ空を 僕は無言で見ていた。




僕は未知の手を握る力を少し強くした。


未知は気付いたのか 気付いていないのか じっと花火を見ている。



「…未知?」


「ん?」



僕を見た未知に 僕はすかさずキスをした。



誰にも見つからないように…。



とても短いキスだった。