「出会ったばかりなのにこんな事言ったら軽い奴だって軽蔑されますかね…?」


いつもは正木君をからかう渉も 今は真剣に聞いていた。

「いや。誰も軽蔑なんてしないさ。恋に堕ちるのに時間は問題じゃない」


「上田さんならそう言ってくれると思ってましたよ。今までの女の子を好きになった時の気持ちってなんだったのかなって。今回の気持ちは…うまく言えないけど何か違うから。俺 勝手に運命感じちゃってます」


「そうか。頑張れよ」


「はい!」


正木君は屈託のない笑顔だった。




夏の恋。


正木君の恋。


太陽のように眩しくて…熱い恋。


正木君なら 阿部さんと拓也君を照らす太陽になれるかな…。




「おーい!お兄ちゃん!お姉ちゃん!」


遠くで拓也君が私達を呼んでいる。 

私達3人は拓也君に向かって走り出した。



ジリジリとした暑さを少しだけ心地よく感じながら…。