☆花咲く頃に.。.:*・°


『首の骨、そんなに見せて…痩せたなぁ。』

自分の声の大きさに鈍感な母が言う。父は背中で聞いていた。

思わず母の頬を、私は片手で挟んで、チューみたいな顔にした。


母が席を外した時に、父が

『あんなヤツ、来なくていい』と言ったのは黙っていた。

残した林檎の1つをつまみ食いして、母がトレーを戻しに行く。

食べている時からギュルギュル鳴っている父のお腹。

「はい、お腹鳴らしてる人はトイレ〜。」

椅子から腰を上げた父。

『あっ…』

ニコッと笑って

『出ちゃった…』

母に見付からない内に、片付けなくては。


全く不自然な光景だとはわかっていたけれど、父の後ろでバスタオルを広げて
トイレまで向かう。

幸い母は、トレーの返還場所にてこずっているのか、まだ戻って来ない。


父がトイレに篭っている間に、着替を持って来ようと思い立ち、病室に戻ると


母がいた。失敗。。。


何で着替を持ち歩いてるのか、何でここで着替えないのかと、聞いてくる。

私は「うん、うん」とだけ言って、トイレに向かう途中にナースステーションに寄って、父のお腹の事を伝える。


トイレは2つ。

「おとーちゃーん?」

『こっちー』

どっち?(笑)