小さめのプチシューが乗ったケーキは、四人分に切り分けて、
やっぱり食べないと言う母を
「四人で食べる最後のケーキかもしれないんだからね」と冗談混じりに言って、
半分は私が食べるから…と、何とか説き伏せて食べた。
私の誕生日を間違えていた母。
いっけどね(笑)
その時、父はトイレにこもっていた。日に十数回は、トイレに行く。
便秘気味の母は、そんな父に向かって羨ましいと平気で言う。
ん〜。
やっぱり良くわかんないや。
トイレから出てきて、フルーツを食べた父がふと
「痛い」と言った。
初めて「痛い」と言う言葉をクチにした。
泣かないって決めたはずの目から、涙が出そうだったから
明日の約束をして、玄関を出ると同時に、泣いていた。
明日はまた、笑顔でいよう。
母が言った。
アンタ産むとき、痛くて痛くて、痛いだけで…
帝王切開する所だったの。
昔の話は、良く憶えているみたいだ。
私は…
産まれたくて、産まれたんだろうか?


