☆花咲く頃に.。.:*・°


父は…悪い所を切ってしまえば、治ると思っているみたいだ。


『切れば治るんですよね?』


身を乗り出して聞いていた。

上の兄2人…癌が見付かった父のお兄さん達は、早期の発見で、回復していた。


けれども。


先生の口からは、いきなり【癌】と言う言葉が4、5回出た。


パチンコなら、鉄板的に擬似連だ(笑)


その後、ナースから入院について書類で説明を受ける。


父は…動揺していたのだろう。


ナースの前に置いてある椅子に座るまで、ナースは父に

「おかけ下さい」を、

3回繰り返さなければならなかった。


記入箇所や入院当日の持ち物などの説明に淀みが無い為、まるで頭に入らない。


会計書類を待つ間にチラリと中を見る。


ハラリと落ちた紙には


【当病院ではガン患者支援チームを整えております】

『まだ何にもわかんないのにな』


そう言って父は笑った。

一番わかっているはずの父が、笑った。


10時の予約は、この頃既に昼を回っていた。


やや希望的観測の父。


入院病棟は8階・消化器内科。

見晴らしだけは、良さそうだ。