その結果が今回の話だ。

伊東はこの日、数名の隊士達と共に局長室を訪れ、近藤に別働部隊での活動の許可を得に来たのである。

その別働部隊の名が『御陵衛士』。

名目上は別働部隊ではあるが、部隊長の伊東甲子太郎に全ての権限が委任される為、実質上は集団での脱退と同じ事であった。

この時御陵衛士に名を連ねたのは部隊長の伊東甲子太郎、服部武雄、毛内有之助、藤堂平助、富山弥兵衛、篠原泰之進、鈴木三樹三郎ら。

そして驚くべき事に、斎藤一の姿もそこにはあった。

これには新撰組隊士の誰もが驚きの色を隠せなかったという。