「そうじゃなくて!!! 借金返すために全部売ったんだよ!」 私は言葉を失った。 「まぁ… 全部売っても安くて借金の一部しか 返せなかったけどな‥」 「そっそっかぁ…」 そうしか返せなかった。 確かに 家に入った時、違和感はあったけど 綺麗に整頓してあるか 物をあんまり置きたくないタイプだと思ってた。 でも、 リビング・和室・脱水所・梓の部屋… どの部屋にも物はなかった。