それから 梓は一人きりになった、 家で暮らしていた。 どんなに疲れて帰ろうと 決して 梓の家に“おかえり”はない。 この家は 一人きりでは広すぎる。 その家で 何日かは何とか 平和に暮らしていたけれど 手術費に全額を使ってしまったから 家賃を払うことが出来ず、 借金取りから耐える日々が続いた。 そして次第に 梓は家に籠りきりになってしまった。 外に出たら 借金取りに殺される‥そう思ったから。