次の日から
由美は私と梓のことを聞いてこなかった...








季節も秋に入った頃、
文化祭の準備が始まった。

毎年9月の下旬に行われる恒例行事。



「今年は楽しみだね♪
 うちらメイドカフェだもんね」

由美がメイド服を試着しながら言ってくる。


「だねっ
 去年は占いの舘とか暗いやつだったもんね」



そう‥
去年はそれほど盛り上がらなかった。
私たちだけね…


「なんか、あずっ…」



由美は梓と言いかけて
黙り込んだ。


たぶん、
こう言いたかったんだろう‥

〈それにしても
 梓くんもこっち来るなんてね〉



こっちというのは
元々メイドカフェだけだったのを
梓が勝手に
執事カフェを作ってしまったのだ…



同じカフェということで
先生がメイドカフェと合体させてしまった。

こんなんじゃ、
私に自由なんてないよー(泣)