数時間後、
心拍数がどんどん下がっていった。


梓のお母さんは
必死に私の腕をがしっと掴み、
はっきりした声で


「梓をよろしくね…」
と言った。




それが最後に聞いた声だった。


お母さんの顔には
涙の跡が残っていた。

お母さんと梓の涙が混ざりあった、
涙が渇いて
宝石のように煌めいた。





『9月24日13時02分、
 お亡くなりになりました』


そう最後の宣告をして
白い布をそっと顔にかけた。