私は昨日徹夜で作った、
千羽鶴を渡す。


「ありがとね。
 雫ちゃんは優しい子なんだね」



梓のお母さんは
ゆっくりと私の方に手を伸ばして
私の頭を撫でた。


優しく何度も何度も。

お母さんの温もりが肌を通じて温度を感じた。



こんなに温かい…
確かにお母さんは生きている。

この柔らかな笑顔を見ていると
とても2日後に死んでしまうなんて思えない。





それくらい、
生きてる心地がした。