「はい」 貰いたての給料から 10万を梓に手渡す。 「ほんと悪いな。 絶対後で返すから」 手渡された封筒を 申し訳なさそうに見る。 「返さなくていいよ。 その代わり、 今度お母さんに会わせてね」 「いいのかよ。それだけで」 「会ってみたいの」 確かに 10万円は私にとってすごい大金。 毎週学校帰りに疲れながらバイトして‥ でも、 梓のお母さんには元気になってほしいから。