学校の裏。

人跡まれなくらい駐車場。

奥からとがらした女の声が響く。

「あのさ、あんたまじウザイんですけど!」

音の聞こえる駐車場の隅に言ってみたら
4人の女のやつらがさっきの鈴木ってやつを取り囲んでいた。

そして俺が来たのにも気づかずまた声を上げるマユミってやつ。

「図書室のこともそうだけどさ」

「……」

「ったく。先輩のことが好き?優しいとこが好き?」

「……」

「ねぇ、あんたあいつのことよく知らないよね?」

「……」

「あいつさ、女をおもちゃみたいに考えてるやつなの」

「……」

「だからってそんなブサイ顔してずうずうしく慎也にしがみつくんじゃ――」