軽く押したら


キィイイーーーッ


と言う音をたてながら開く屋上の鉄門。

そして見えるのは金髪の男。

欄干にもたれているその後ろ姿が何だか見覚えがあった。

もしかして…。

いやそんなことない。

ありえない。

だってその人に声かけたことすらないし
ちゃんと向き合ったこのもないもん。


その人のはず、

「よぉ!来たか」

ないのに

私に振り向いたその男は

私の片思いの相手、

五十嵐先輩だった。