その後、アタシらは、ケンタのチキン食べて、ケーキ食べて、のんびりイチャイチャしてた。


―コンコン

「へいー」

すると、慎吾のお母さんが入ってきた。

「母さん、父さんと出かけてくるから」

「はいよー」

「じゃぁね」

そう言って、慎吾のお母さんは出て行った。



「2人…きりだなぁ」

慎吾がポツリと言う。

「そだね。
文化祭…以来?」

「たぶんな」

「…」

あんまり会話が続かない…。

そう思った時だった。



「なぁ、キスしていい?」



へ?

何いきなり言ってんの?


「なぁ…」

アタシの耳元で、慎吾がささやく。

「ダメェ?」

アタシは慎吾の、こういうのに弱いんだ。

告白された時だってそう。


「いいよぉ」

慎吾は悪魔のような、でも、どこか嬉しそうな笑顔をした。

「目ぇ、つぶって♪」

アタシは言われるままに、目をつぶる。