「あ~ん!
破れたぁ!!」

―金魚すくい

3匹目をすくおうとしたところで…アウト!


「お嬢ちゃん、金魚いるかい?」

「いらなーい」

いたってしかたないし。


「よっしゃ~!」

涼太はもう、器がパンパン。

涼太、上手すぎッ!!


「俺、もう止めとくわ」

涼太はおじさんに、器とすくうヤツを返した。


「涼太、なんであんなに上手いの~?」

アタシはかき氷片手に聞いてみた。

「ん~?
何が~?」

フランクフルトを食べながら、涼太は言う。

「金魚すくいだよぉ!」

「普通じゃん?
凛が下手なだけ」

「うわッ、ムカつくぅ」

「はは(笑)
ジョーダンだし。
ほら、もう花火だょ!!
行こッ!」

そう言って、涼太はアタシの手を引っ張った。