透き通るような歌声はまるで童話に出てくるお姫さま見たいに綺麗で人を魅了する力がありました。
審査員の千里に対する評価は激甘だった―
まぁ、確かにあんだけ旨けれりゃなぁ…
ステージの上で渡された白百合賞のトロフィーを嬉しそうに貰う千里
「優勝者の道畑さん、一言お願いします!!」
「はぃ……。」
緊張しているのか落ち着こうと深呼吸をする千里
「私が今ここに立てているのは皆さんのお陰です。本当にありがとうございます!!」
意外にまともな挨拶をしている千里を見て俺は驚いた…
普段の千里を見ていたらこんなに真面目な事を言えたなど到底思えないし想像もつかなかった…
だって
あの千里だし…



