「お二人は、イヴ様からからの濃い血を受け継がれた貴重な存在。ユーゴ様とイヴ様の血筋の濃い、前の奥様との間にはお子はとうとうお生まれにならなかった。でもユーゴ様のイトコであるクローディア様を妻に迎えられて、やっとお二人がお生まれになったのです」

ヴァイオラは愛おしげに二人を順に見つめると、下位のヴァンパイアであることを示す碧眼の目じりにしわを寄せて微笑んだ。

「バイオレットの瞳をもって生まれたヴァンパイアは、その血を受け継いでいく義務があるのです」

デュオはその話を静かに聞いていた。

生まれた時から母の代わりとなり、デュオとルシアの世話をしてきたこの下位のヴァンパイアの女性。

その静かで落ち着いた眼差しに、なぜか昔から、濃い影を落としていることが気になりながら。

「わかっているよ、ヴァイオラ。私とルシアは子を作り、その血を受け継いでいく義務があると言うんだろう?」

デュオは淡々とした口調で話しながら、ベッドから降り、ヴァイオラの前に立った。

そして、その子供のものとは思われない甘美なほどの唇から、まだ小さな牙を零し、甘い吐息を吐くと、ヴァイオラの耳元で囁いた。

「ヴァイオラ、そろそろ……食事が欲しいな」

ヴァイオラは、エクスタシーを刺激され、ゴクンと喉を鳴らした。

(まだ幼いこのデュオのどこから、これほどのエクスタシーが放たれているというのだろう…?まだ、女性を抱いたこともないヴァンパイアには、奇跡のようなエクスタシー……!!)