ヴァンパイア†KISS~孤高の花

ヴァンパイアが……憎い…?

ヴァイオラは首を大きく垂れて俯くと、小刻みに肩を震わせた。

そしてルシアにとって信じられない一言を口にした。

「デュオ様はわかっていたのですね。……わたしが、もと人間の女だと」

デュオはルシアの手の中から自らの手を引き離し、血の滴る手をじっと見つめて言う。

「不思議だったんだ。なぜあなたが私たちを悲しそうに見つめるのか。なぜ…父に憎しみの瞳を向けるのか」

お父様に……憎しみの瞳?

ルシアは目を見開き、目の前のヴァイオラを見下ろした。

「あなたは父によって…ヴァンパイアの王ユーゴに吸血されヴァンパイアになった。…そうだろう?」

ユラリ…と立ち上がったヴァイオラは、焦点の定まらない瞳で宙を見上げる。

「……その通りですわ、デュオ様。7年前、人間だったわたしはユーゴ様に吸血されヴァンパイアになった。ユーゴ様はわたしを生まれたばかりのデュオ様とルシア様の教育係にして楽しんでおられた。わたしにキスをすればユーゴ様の従順なしもべにできるというのに、ユーゴ様はそれをしなかった。しないで、わたしが憎きユーゴ様の子供を教育するのを楽しんでおられた……!」

デュオは冷たく瞳を細めてルシアを微かに振り返った。

「わかっている。父はそういう人だ。子供の私たちにさえ、簡単にその地位を与えたくない。苦しんで這い上がってくるのを楽しんでいるんだ。ヴァンパイアの王、ユーゴは…」