1840年。

ガイアの地下房奥深く。


「男女の双子のご誕生ですわ!」

「クローディア様、おめでとうございます」

周りを囲むヴァンパイアの女性たちの祝いの言葉に。

美しい銀髪を激しく乱し、先ほどまで荒々しい息遣いだったクローディアは、一息つくと女性たちを一瞥した。

「男女の双子…つまらないわね」

「…クローディ様、どうしてでございますか?」

二人の女性にそれぞれ抱かれて眠るクローディアの生まれたばかりの赤子たち。

彼らは、泣くこともなくその麗しいバイオレットの瞳でお互いを見つめる。

まるで、自らの姿を追い求めるように……。

クローディアはそれを冷たく見やると、

「生まれた時から恋人が決まっているなんて、つまらないでしょう?」

我が子を抱くこともなく、ベッドに潜り込んだ。