ウルフガングと別れ、部屋に戻った二人は、お互いのベッドへと入った。

ルシアは、今まで感じたことのない湧き上がるような兄へのあらゆる欲望を抑えきれないでいた。

(…お兄様の血が、欲しい…。お兄様の血も、唇も…何もかも…!)

わかっていた。

まだ幼い兄の血を吸うことがどんな危険を孕んでいるのか。

自分もまた幼い。

血とエクスタシーの欲望を抑えきれずに、兄の血を吸いつくして、兄を殺してしまうかもしれない。

でも………!

気づくと、ルシアは兄のベッドの中へと滑り込んでいた。

ルシアは目を閉じて仰向けに眠る兄の上に乗ると、その愛らしい唇から、白く輝く牙を突き出した。

その瞬間、デュオは待っていたかのように瞳を開くと、

「ルシア……おいで」

ミステリアスに、微笑んだ。

ルシアはその兄への欲望を止められなかった。

兄の首にむしゃぶりつくように食らいつくと、一気に血を吸い出す。

デュオは、「…く…ハ…ァ…!」と吐息を漏らし、苦しげにルシアの頭を抱きしめる。

(お兄様の血……なんて濃くて甘い血なの……!!こんな甘美な血は初めて……!)

ルシアの血を飲む勢いに、兄は身悶え、体をビクンと震わせた。

(感じる……!お兄様の強いエクスタシーを…!)

ルシアは兄のエクスタシーを感じながら、兄もまた、自分にエクスタシーを感じていることをその兄に触れている体の全てから悟った。