【短編】彼のため[続編2追加]

「佐藤くんは、知ってる?
美沙ちゃんの留学理由。」


「語学を学びたいからだろ?」


それ以外、なくないか?


「違うよ。
逃げたかっただけだよ。」


「逃げる?」


俺は、わけがわからず首を傾げた。


「美沙ちゃんって、絵に描いたような優等生でしょ?」


「あぁ〜、そうだったな。」


懐かしい。


「美沙ちゃんね。
特別視されるの大嫌いなの。」


「俺、一緒にいたのにわからんかった。」


俺は、ため息をついた。



「美沙ちゃんの心の闇は、美沙ちゃんにしかわからないよ。
けどね。
心の闇を消し去るほどの力を持ってるのは、佐藤くんなんだよ。」


「そうだといいな。
今、進藤さんから、そう言われて、やっぱ美沙を守りたいって思う。」



「迎えに行ってあげて。
佐藤くんとよりを戻すことが美沙ちゃんの幸せだから。」


進藤さんは、嬉しそうに笑った。


「あぁ。
進藤さん、ありがとう。」