恋文~指輪が紡ぐ物語~


 レジにはジュレをサービスしてくれた店員が笑顔で待っていた。

「ありがとうございました。それで、あのジュレどうだった?」

 花乃と志穂は顔を見合わせてから、志穂が感想を告げた。

「う~ん、おいしかった。けど、ちょっと……」

「微妙?」

「なんて言うのかな? 悪くないけど……ちょっと違うかな? って」

「やっぱり……」

「あっ! でも、私達が飲んだマンゴーティースカッシュとかに入れたらいいんじゃない?」

 花乃が閃いた、というように発した言葉に、店員は「いいかも」と声に元気が戻った。

「ありがとう。それ、やってみる」

 そう言って彼は、カードをふたりに手渡した。

「これね、常連さんに渡してる秘密のカード。俺用だよ。また来て。サービスするから」

 スタンプカードかと思いきや、よく見ると彼の名刺のようだ。
 木に鳥がとまっているイラストがプリントされている。そして、お店と彼の名前がポップな字体で印字されていた。

『Perche~とまり木~
 しばし時間を忘れて羽を休めてみませんか?

 本郷 彼方 Kanata Hongo
 居心地のいい空間を提供します』

 裏を見ると、お店の住所、電話番号、ホームページアドレスと秘密の暗号『ひまわりになろう』と書かれていた。

「なに、コレ?」

 彼方はいたずらっ子のように笑いながら、ホームページを見てと言った。