恋文~指輪が紡ぐ物語~


 あっという間に完食してしまったふたりは、少し気分を変えて冷たいドリンクを頼んだ。

 花乃の頼んだマンゴーティースカッシュと志穂の頼んだレモンティースカッシュがきたところで花乃が話し始めた。

「私ね、すごいおばあちゃん子だったんだって。覚えてないんだけどね。おばあちゃんが亡くなった後に、遺言どおりにおばあちゃんの家を壊して、その土地を売ったんだって。何もなくなったのを見てショックでおばあちゃんに関する記憶がないのかもってお母さんが言ってたんだけど……」


 確かに、志穂が花乃から聞いた話の中におばあちゃんに関するものはなかった。お父さんが亡くなった話は聞いた事があったから、他に親戚などもいないのかと思っていた。

「そのおばあちゃんの家に行ったときに、いつも一緒に遊んでた男の子がいてね、その子に指輪を渡したの」


 そんな話から始まった花乃の話が、やっと松岡につながったところで、若い店員が何かを運んできた。