次の日、花乃は少しすっきりした気持ちで目覚める事が出来た。

 昨夜、泣きやんだ後に母に言われた通りに目を冷やしていたおかげか、昨日の夜ほどは赤くなっていない。それでも、少しは腫れていたがいい加減にしないと自分で自分に愛想を尽かしそうだ。

 気持ちの整理なんかできない。だけど、そんなの当たり前だ。そんなに簡単に気持ちが整理できてたまるか。

 あれだけ泣いて、それでも涙は枯れない。今だって溢れそうになる。


――しょうがないじゃないか。


 昨夜、母の前で泣いたことで、いろいろとふっきれた花乃は開き直る事にした。


 カラ元気だってかまわない。
 いつまでも引きこもっていたって何も変わらない。
 自分自身で、どうにかしなきゃいけない問題だ。


 今、自分に出来ることをしよう。


 まずは、学校へ行こう。
 志穂に心配かけたことを謝って、ちゃんと自分で話をしよう。すぐには無理かもしれないけど、志穂に聞いてほしい。

 そして、母と話をしよう。今まで触れちゃいけないと思っていた父の話を聞いてみたい。昨日は、そんな余裕がなかった。だけど、今聞くべきだと思う。



 そして、自分がどうするべきか考えよう。